ない借金返済|第3 争点に対する判断 1 争点(1)(監査請求前置)について (1) 第二次監査請求

借金返済の記載にでの行事運営等のための公務出張を許可しないよう指導すること?既 に支給した給与・出張費分については,右,公金支出の最終権限者たる県 知事及び教育委員会各委員,教育長,同校校長,同教諭らが支出相当額を 連帯して県に返還することを求めること。」
福岡
高裁
判決


判決は,監査請求書に, 「県知事及び県教育長に関する措置請求の要旨として,本件派遣は研修名 目とされているが,県同教の運営に従事しているのが実際であり,長期研 修規則にいう研修にはおよそ該当しないといえるとするとともに,県知事 は,今後,派遣教諭らへの給与支払いはやめること,既に支給した分につ いては,公金支出の最終権限者たる県知事に対して支出相当額の損害賠償 を求めること,教育長は現職職員の県同教派遣の一切をただちに取りやめ ることが記載されていたが,G(県教委委員長)に関する記載は何らなか った。
」ところ,「監査委員は,監査対象事項を丙事件の派遣教諭の給与 支給に係る『違法若しくは不当な公金の支出の有無』として監査し」, 「丙事件被控訴人らは,原審においては,Gを新規定の『当該職員』に当 たるとしてその財務会計上の行為による損害賠償義務を主張するのみで, 新規定の『怠る事実』に当たる主張はしていなかったが,当審になって, 新規定の『怠る事実』として,Gの違法な本件派遣を維持,推進し,放置 してきたことについての不法行為に基づく損害賠償義務を主張するに至っ た」という事案において,「上記監査請求において,他の事項から区別し 特定して認識することができるように,個別的,具体的に適示されている 37 財務会計上の行為は,上記認定の監査請求書の記載内容,監査委員の監査 対象事項,さらには原審における丙事件被控訴人らの主張内容からすると, T(県知事個人)に対する丙事件の派遣教諭への給与支出の中止と既支給 分についての支出相当額の損害賠償であるといわざるを得ない。
すなわち, Gに対する損害賠償請求権の不行使という怠る事実が上記監査請求の内容 になっているとは,到底認めることができない。
」と判示したものであっ て(乙52),監査請求の内容になっていたのは,県知事による派遣教諭 に対する給与の支給であって,訴訟の対象とされている,県教委委員長に よる派遣の維持・推進・放置については監査請求の対象とはされていなか ったものである。
本件においては,第二次監査請求及び本件訴えのいずれ においても,対象となっている財務会計上の行為は本件派遣におけるB教 諭への給与・旅費の支出であって,上記福岡高判とは明らかに事案を異に するものである。
(2) 第二次監査請求における具体的措置の相手方と本件訴えにおけるCら5名 住民訴訟においては,その対象とする財務会計上の行為又は怠る事実につ いて監査請求を経ていると認められる限り,監査請求において求められた具 体的措置の相手方とは異なる者を相手方として同措置の内容と異なる請求を することも,許されると解すべきである(前掲(8頁)平成10年7月3日 最判参照)。
本件についてこれをみると,上記(1)アのとおり,第二次監査請 求において監査の対象となっている財務会計上の行為は,本件派遣における B教諭への給与・旅費の支出であり,本件訴えでは,上記給与・旅費の支出 に関与した者に対する損害賠償請求権等の不行使という怠る事実を内容とし ており,いずれも,対象とする財務会計上の行為は同じであり,しかも,第 二次監査請求では,返還すべき者として「教育委員会各委員,教育長」とい った県教委の職員が挙げられていること,監査対象機関も福岡県教育庁教職 員課,人権・同和教育課,F等として監査実施がされていることに照らすと, 38 県教委事務局の職員であるCら5名が第二次監査請求に明示的に挙げられて いなかったとしても,「怠る事実に係る相手方」として本件訴えの相手方に することは許されるというべきである。
したがって,この点においても,本 件訴えは監査請求前置に欠けるところはない。
2 争点(2)(住民訴訟の対象)について 控訴人は,住民訴訟の対象は財務会計上の行為であって,本件のような人権 ・同和教育の推進・振興という行政目的達成のために行った同和教育課長の判 断や本件配置を行った教職員課長及び教育企画部長の決裁行為(判断)は住民 訴訟の対象となる行為には当たらないと主張する。
なるほど,地方自治法242条の2に定める住民訴訟は,地方財務行政の適 正な運営を確保することを目的とし,その対象とされる事項は同法242条1 項に定める事項,すなわち,公金の支出,財産の取得・管理・処分,契約の締 結・履行,債務その他の義務の負担,公金の賦課・徴収を怠る事実,財産の管 理を怠る事実に限られるのであり,上記事項はいずれも財務会計上の行為又は 事実としての性質を有するものであって,これらの財務会計上の行為又は事実 を対象としない住民訴訟は不適法として却下されることになる(前掲(14 頁)平成2年4月12日最判参照)。


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しかしながら,本件請求の当否を判断す るに当たって,上記のような非財務会計行為の違法性の有無を判断するのが不 可避であるとしても,本件訴えの対象となっているのは,福岡県のA校長,B 教諭及びCら5名らに対する損害賠償請求権等の不行使という財産の管理を怠 る事実であって,これはまさに財務会計上の行為ないし事実であり,本件訴え をもって住民訴訟の対象とはなし得ない行為又は事実を対象にしたものとはい えない。
ちなみに,上記最判は,建設局長と建設企画室長が建設会社に保安S の中に道路を建設させたことは違法な財産の管理に当たるとして,「当該職 員」である建設局長及び建設企画室長に対して原状回復費用相当額の損害賠償 を求めた事案について,建設局長及び建設企画室長の行為は,「市道予定地を 39 道路状の形状にすることにより道路整備計画の円滑な遂行・実現を図るという 道路建設行政の見地からする道路行政担当者としての行為(判断)であって, 本件土地の森S(保安S)としての財産価値に着目し,その価値の維持,保全 を図る財務的処理を直接の目的とする財務会計上の財産管理行為には当たらな い」と判示したものであって,そこで取り上げられた財務会計上の行為又は事 実は財産の管理であり,本件と事案を異にすることは明らかである。
3 争点(3)(違法に財産の管理を怠る事実)について (1) 当裁判所が認定した事実は,以下のとおり付加訂正するほか,原判決30 頁8行目から同38頁16行目までに記載のとおりであるから,これを引用 する。
ア原判決の付加訂正 (ア) 原判決31頁11行目及び同13行目の「勤めていた」をいずれも 「務めていた。
」に,同33頁19行目の「勤めた」を「務めた」にそ れぞれ改める。
(イ) 同34頁5行目の「会長」を「委員長」に改め,同14行目の「平 成12年度から平成14年度にかけて」の後に「毎年度」を加える。
(ウ) 同38頁1行目から同3行目までを削除し,同6行目の「福岡県教 育委員会会議規則2条」の後に「。
乙17」を,同8行目の「福岡県教 育委員会の事務委任等に関する規則3条1項」の後に「(乙19)」を それぞれ加える。
イ当審で新たに認定した事実 (ア) 本件各団体の活動等(甲1,6,11,62,77,乙38,46, 62ないし90,当審証人B) ? 県同教 a 会則によると,目的,事業及び構成は次のとおりである。
(a) 目的(2条) 40 部落解放の教育を確立する「同和教育」の研究と実践に努め, 真の民主主義の実現を期する。


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本件訴えは監査請求前 置に欠けるところはない。 36 ウこれに対し,控訴人は,?第二次監査請求を受けた監査委員は怠る事実 を監査の対象としていなかった,?本件訴訟において被控訴人らが財務会 計上の行為を「財産の管理を怠る事実」と特定するのが遅滞した,?前掲 (8頁)平成10年7月3日最判とは事案を異にする,?前掲(9頁)福 岡高判は同種事案について監査請求前置を否定している,と主張する。 しかしながら,??の各事情があったというだけでは,A校長,B教諭 及びCら5名に対する損害賠償請求権等の不行使という怠る事実が監査請 求の内容に含まれていなかったものと解することはできないし,また,? の最判は後記(2)の争点に関して判示するものであり,本争点に関して参考 とすることはできない。